前の投稿で空耳アワーの話をちょこっと書いていたけど、もう一つ思い出したことがある。
これも初期の空耳の名作だがGanz’N RosesのMr.Brownstoneっていう曲がある。締めのフレーズ「I leave it all behind. Yowsa!」っていう歌詞が「兄貴の位牌、ヤクザ!」って聞こえるというあれだ。
なぜだか知らないけれど、僕はこの”Yowsa” という間投詞がすごく気になっていた。多分、世界的な名曲に使用されるぐらいだから、よく使われる言葉なんだろうが、当時の僕の観測範囲ではこの歌詞しか用例に気づけなかったからだ。それはそのままわからないままほっとかれていたわけだが、ある時、次の用例にぶち当たる。
1992年(日本では1993年公開)の映画、「A River Runs Through It」を観ていた時のことだったと思う。映画のワンシーンで、初老の男性がちょっとした人だかりの前で「Yousa!,Yousa!,Yousa!」と呼びかけるシーンがあったのである。
これを見たときの僕は「Yousa!」って言葉が本当に使われていた用例を見つけたのだという妙な喜びとともに、Yowsaという言葉を覚えていた自分に驚きを感じていた。どうでもいい記憶は、思いも掛けないところで繋がって、不意に思い出されてくるようだ。
多分映画館で、僕の隣に座っていた人は、なんともないシーンで急に前のめりになる僕を見て、気持ち悪いやつだと思っただろう。申し訳ない次第だ。
最初の歌詞 Mr. Brounstoneは1987年のアルバム「appetite for destruction」に収録されているから、おそらく1980年代の中頃にはロックスターが歌っても恥ずかしくないイケてる言葉だったはず。もうひとつの映画は1910〜1920年ごろのモンタナ州の話だ。
僕はネイティブスピーカーではないから、両方の正確な意味は捉えきれないけど、おそらくG’NRの歌詞の意味としては、「(俺は全てを捨てていくぜ!……)そうさ!」とか「ドヤァ!」って感じなんだろうけど、映画のセリフの方は映像を見る限り「はいはい!ちょっと注目!」という呼びかけだ。
ググったら「Yousa < Yes, sir」 という記述は見つかるのだけれど、それにしても意味が違いすぎる。言葉というのはこんなに短時間で変わるものなのだなぁと感心した記憶がある。
そしてこの話は、ここから先に展開はしない。僕は言語学者でも文学者でもないから、そこから先には興味がない。ただ記憶の残り滓というのは、ある日何かと繋がった瞬間、思い出されてくるけれど、ほとんどのジャンク記憶は死ぬまで、何物とも結びつかないままなんだろうなぁと思うぐらいである。
でも思い出すためには、ジャンクを溜め込んでおかなくてはならないわけで、人間の記憶というものは、いい加減であるけれど、よくできているものなのだというだけの話である。
それはそうとして、Mr.Brounstoneっていう歌は、最初からMr.とかmanって歌っているから当然ブラウンストーン氏は男性だと思っていたら、最後に “〜said I wish I never met her.”って歌うので、えぇ……ってなるような歌なのだが、男だと思っていたら、女だったのか……ってなったら、捨て台詞とともに全てを捨てて出ていきたくなる気持ちもわからんではない……
まぁパワーで押し切る歌なんだろうな……







