リフォームの計画をすると、必ず直面するお話です。
リフォームを依頼されたとき、新築時や改装時の図面が残っていれば、それを参考に、図面がなければ現場で天井裏や床下に頭をつっこんで、家の構造を確認した上で計画をするわけです。
ですが大概の住宅は、床下に潜れるスペースもなければ、天井裏にも押入の上から頭を出せる程度で、だいたいの構造材の位置や大きさを確認するのが関の山で、断熱材に阻まれて筋交いの位置なんてよくわからない事のほうが多いわけです。
30年ぐらい前の住宅になると、残っているのは確認申請時に添付された1/100程度の図面のみということも多いわけで、その上、そこに描かれた情報が正しいという保証もなく(筋交いの位置が変わっていたり、そもそも存在していない事も多々あるわけでして…)そういう中で僕に限らず建築士の方々は想像力豊かに、「たぶんこうじゃないかな…」という感じで手探りで仕事を始めるわけです。
壁や天井を壊してしまえれば話は楽なのですが、リフォームの場合、居住者が生活している事がほとんどですので、非破壊&目視に頼るしかないわけで、いざ工事を始めてみると、足元がシロアリにやられていて、さすがに見なかった事にも出来ず、おそるおそる依頼者に工事費の増額の依頼をするハメになるわけです。
そのうえ規格住宅になると、ほとんどの部材は計算に基づいた工場生産品なので、アンタッチャブルなパーツがどこに存在するのかの見極めが、その後の計画を大きく左右します。壁や天井を捲ってみて、想像どおりならひと安心、違うなら対処方法を考えなくちゃなりません。
リフォームは新築と違って工事期間が短いので、現場で悩んでいる時間も少なく、扱う材料も少量なので、計画の変更は、結構ダイレクトに金額に跳ね返ってきます。ですから、出来る限りまとまった図面とかメモとか写真なんかを残しておいて頂くと、非常にありがたいわけですね。
ですが、設計図って結構邪魔なんですよね…普通の家にA3の大きさの書籍やファイルを置く本棚があるとも思えず、保存されていても、昔の青図は感光紙ですから、保存状態が悪いと端から変色して、真っ白になって読めなくなっていたり……そうなってくると、またしても目視と経験による第六感に活躍してもらわなくてはならないわけです。
改装工事が割高になる理由には、こういう「省く事のできない手間」の存在も大きかったりします。










