みんなが知ってることは、だいたい対策済み

もう少ししたら消費税が上がるという話もありますが、あまり慌てて住宅や不動産を購入したりしない方がいいですよという話です。

政権が変わっただけで円安になったりするのは何故なんでしょう?実際にまだ何もしていないにも関わらず、最近は円がドルに対して安くなっています。何故こんな現象が起こるのかというと、予想される価格変動に対して、価値は中立であろうとするからです。

建築の話で考えます。新築工事にしても改修工事にしても、事前の打ち合わせも工事期間も長期間に及ぶので、じつは今頃から消費税が上がる前に契約できないかというような話が増えてきています。で、僕たちのような、一応中立的な立場で動く建築士から言わせて頂くと、あんまり気にしない方がいいですよということなんですよね。

例えば、工事には仮設足場が必要ですが、あれは実はレンタルです。そしてレンタル会社が提供出来る足場の量は限られているので、工事現場が増えると足場が不足してレンタル料が上がります。レンタルに限らず、建設に用いる材料価格、職人の人件費は常に需要と供給のバランスのうえで変動しています。大きな本屋で建設物価が掲載されている雑誌が何冊か売っているのを見た人もいるはず。

その昔、消費税が3%から5%に上昇する時のこと。工事スタートの約半年前の契約までは3%の税率が摘要されたので、ある一時期に工事請負契約が増えました。契約が同時期ということは工事も同時期にならざるを得ないので、レンタル資材や建設資材、実際の工事をする職人さんの奪い合いが起きて価格が高騰した結果、消費税を節約した金額以上に工事費が高くなったという話をよく聞きました。

最近では、東日本大震災の復興で建設資材や職人さんの需要が増加した為に工事費は高くなりました。工事費や人件費は、需要と供給のバランスする点で決定されて、しかもそれは常日頃変動しているということです。

工事価格が常に変動していることを頭の隅においておいて、消費増税の話を考えてください。

消費税が3%上がるということは、例えば1000万円の工事費につき30万円づつ支払い価格が増えるわけです。3000万円の工事なら90万円。1億円の工事なら300万円程度の支払い価格のアップになるわけです。ところが建築工事のなかで、工事費の数パーセントなんていうのは、さきほど書いた価格変動の中で常に変化する程度の金額なのです。なにしろ300万円って、ちょっとしたシステムキッチン1台分の価格でしかありませんから。だから工事業者は、ある程度の価格変動を見込んで見積もりをはじき出します。それには常日頃から起こっている価格変動を予想した価格です。

その上消費増税は、工事金額の数パーセント程度、しかも適用される時期まで分かっているんだから難しい予想するまでもありません。当然増税分の価格を税率が変わる前から見込んで工事価格を見積もっています。工事のスタート時は増税より前でも、ひょっとして工事期間が伸びるかもしれませんし、その時は職人に摘要後の税率で賃金を渡すはめになるんですから、そのあたりは一般の方が想像するよりしたたかですよ。みんな損はしたくないですからね。

はじめの方の話に戻れば、首相が変わっただけで、なにか政策を発表しただけで、円安になったりしているのは、みんな先に予想して動いているからです。だから実際に動きが始まった時には、おおかたの儲けを出せる人は、しっかり儲けた後です。モノの価値に価格が追いつくまでのわずかな期間だけ、損得が発生するのです。

で、建築はすごい時間がかかる業界です。わずか数パーセントの価格差を捉えられるほど、工事は早く進みません。すくなくとも建設業界において、悪徳業者にでも引っかからない限り、一般の人が一喜一憂するほどの損得はあまりないのです。それが予想される価格の変動は場合はなおさらです。

結論としては、あまり増税は気にせずに、しっかりと話し合いの上に取引をした方がいいですよってことです。

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