‘家とお金の話’ カテゴリーのアーカイブ

お金より権利をもらう方がいい

2019年1月24日 木曜日

前回は、会社が求める人間像の話を書いていましたが、労働者として、それに答える義務はないよねって話です。

もう少ししたら、春闘とかベアとかいう言葉がニュースから聴こえるようになるわけですが、あの話がよくわからないんですよ。労働組合とかそういうものを斜めに見ているわけではないんですが、求めるところが違うんじゃないかという感じでしょうか。

ボクはいわゆる「ロスジェネ」世代でして、会社の儲けを確保するために新卒の採用人数で辻褄を合わせていた時代に学校を卒業しました。なので、今頃になって企業が「40代の技術者が不足しています」と訴えるのを自業自得だと思って、斜めに見ているわけです。みんな自分の会社に、すごく思い入れというか所属意識を持ちがちだと思いますが、残念だけど、ボクはあまり会社なんてものを信用できない、目先の利益にとらわれて、20年後のビジョンがなかった故に、今苦しんでいますと言われてもねぇ……

最近では人材が足りないから、外国人労働者を入れましょうとか言い始める始末で、日本人ほど外国人は優しくはないから、そのうち痛い目に合えばいいんじゃないかな……ぐらいにしか思いません。ボクはいろんな国の人がウロウロするのは、いいと思っていますけど、奴隷のような待遇でしか迎えられないならやめたほうがいいと思っています。

外国人が多くなると、彼らも権利を主張すると思うんですよ。当たり前だけど、働いた分はお金をよこせ!って。当たり前だけど、これが日本の会社はできないし、労働者も賃金を上げろ!って言わない。声を上げる役割の労働組合も、賃金上げろといいつつ、会社に極端に不利な条件は言わないですし……だからベアが何円とかで勝った負けたみたいなことになるんですよ。

でもね、会社の施しをねだるより、権利を勝ち取る方が、得るものが大きいとおもうんですよ。つまり賃金をもらうより、権利を貰った方がいい。会社の運営に参加出来る権利。株式会社なら株をよこせという方がいいと思うんですよ。権利を持っていたら、会社のやり方に総会で文句言えるんですよ。しかも配当をよこせと堂々と言えるんです。平社員でも役員に質問できるんです。

ホントに「お金をよこせ、それよりも権利をよこせ」って、みんな言うべきなんですよ

他人はおもうほど、自分の「思い入れ」を評価してくれない

2014年5月26日 月曜日

住宅を購入することは、僕は「投資」だと思っています。なぜならば、将来の価値が算定できないからです。将来の価値がリアルに算定できるなら「資産」と考えてもいいんですが、未来のことは予測できません。予測できないから「リスク」を考えなきゃならないわけです。

例えば、「住宅を購入したら、その後転勤を命じられた」というのはよくある話です。会社の人事の話なんかでは、子どもと住宅を買ったら、会社を辞めることはまずないので、多少の無理な命令も社員は聞くようになるそうですよ。かなり足元見られてますよね。でもそれも「リスク」です。

「隣に変な人が引っ越してきて、夜な夜な怪しげな集会が行われるようになった」。冗談のような話ですが、程度の差はあれ無いわけでは無いのです。実際、上九一色村とか、辺鄙な寒村が、一躍有名になってしまいましたからね。

最近では、分譲マンションを完売させるために、購入価格を安く設定した分譲マンションが売られています。が、当然そういう物件を購入する人達は、一般的に言えば、あまり裕福でない人たちです……よね。だから共益費や修繕積立金の滞納が多くなって、結果修繕も出来ないマンションに住み続けることになる……十分考えられることでしょう?

「リスク」の中には「自分がある程度コントロールできるリスク」と「まずコントロールできないリスク」があって、後者のリスクには本当に手の打ちようがありません。自分が食いっぱぐれないように、借金をしないように頑張ろう!とすることは可能かもしれませんが、隣にいい人が引っ越してくるようにコントロールすることはまず無理です。

コントロール出来ない状態になったら、一旦手を引かなきゃならない場合が出てきます。株や投資信託なら、株価が落ち込めば一旦手放すでしょう。家も同じで、あるところで手を引かなきゃならない場合があるんです。でも家の場合、「手を引く」=「家を失う」ということになるので、大概引き際を誤ります。それは「家」にリアルな資産価値以上の「何か」を持たせちゃう、持ってると信じてしまうからなんです。

他人の蒐集品は、興味のない人から見れば単なるゴミです。他人はあなたの家に、あなたほど思い入れもなければ、市場価格以上の価値を見出してはくれません。だから頭の片隅で「本当の価値」を常に考えておくべきなんです。

マズい事をいってモノを売る人はあまりいない

2014年5月15日 木曜日

あまり更新しないブログになってますが、別に仕事をしていないわけじゃなくて、たんに文章を書くのが苦手なだけなんですよ……ここ最近立て続けに、知り合いから「仕事してる?」っていう感じの電話が来たのは、こういうところからの印象なのではないかしら……なんて、ふと思ったりしてます。で、たまには更新しておこうかと思って、最近なにしていたかを考えていると、集合住宅の大規模改修工事の手伝いなどというものしていたりします。

マンションの改修を手伝うようになって分かってきたのは、思ってたより分譲マンションの修繕積立金って貯まっていないもんなんだなぁということ。少し古い、公団型の集合住宅で自主管理のマンションは結構お金を持っていたりするんだけれど、いわゆるマンションで修繕積立金に余裕がある所なんて本当にないんですよね。

理由は簡単で、分譲マンションを売るときに見かけの支出を減らすために、デベロッパーが積立金の額を少なく設定しちゃうから。デベロッパーは売ってしまえば、自分たちの投資した金額を回収できる(つまり売れなきゃ赤字)ので、売った後のことはあまり考えてはくれないんですよ。ちなみに僕の住んでるマンションでは、築5年ほどで、修繕積立金は倍になりました。最初の設定が安すぎなんですよ。

だいたいマンションの分譲マンションの大規模修繕のインターバルは13〜15年程度。工事費は最近高騰していますので、100万円/住戸程度というところでしょうか。100万円を15年✕12ヶ月で分割すると、約5,600円ぐらい。(大規模修繕工事以外にも、小さな工事はありますから、実際はこんな金額では足りないでしょうけど)修繕積立金がこの金額より安いなら、いずれ値上げをしなくてはならないでしょう。値上げをしないなら借金をすることになるんですが、住宅金融支援機構のようなところで借りて、10年間かけて借金を返済して、返済を終えた数年後には次の大規模修繕が待ってます。そして次の大規模修繕工事をするために、また借金をするはめに……

しかし自分が原因で借金するなら、ある意味自己責任とも言えるわけですが、修繕積立金が足りないなんていう場合、責任の取る人がいないんですよ……管理会社と長期修繕計画を作っていれば、まだましなんでしょうが、ここ数年のように、震災、消費税UP、オリンピックときて工事費がここまで高騰すると、計画通り貯めていたのに工事費が足りないなんてことにも……

持ち家は「資産」なんていって、マンションの購入を勧める人はたくさんいるけど、そういう人は「リスク」については教えてくれないんですよ。教えてくれて予測の算定根拠があまりにも甘すぎたり……本当は「未来はどうなるかわからない」こと自体がリスクなんですけどねぇ……

財布のヒモを緩めさせるのは……

2013年1月28日 月曜日

総務省は来年(2014年)の7月に、4Kテレビ向けの放送を開始するんだとか…

なんでもその年の6月に開催されるワールドカップにむけて照準を合わせて…とかなんとか発表してましたけど、こういう規格の決定の仕方とか、正直なところ「どうせ失敗するんでしょ」ぐらいにしか思えないんですよね。

確かに「ワールドカップ」というコンテンツは観る価値があるコンテンツだけど、ハイビジョンTVで観るのと、4KTVで観るのとたいして差はないような気がするんですよ。シアターやパブリックビューイングなら話は別な気がしますが、たった数メートルしか画面との距離がもてない一般家庭では、画質よりも別の要因の方が臨場感を上げる効果が高いと思うんですよ……これは個人的な意見ですけど。

思い返してみれば、2011年にアナログ放送の停波でみんなテレビ買い替えたでしょう。で、2014年のワールドカップ特需でテレビの需要を掘り起こすって、テレビの寿命っていつから3〜4年になったのでしょうね?普段の地上波の番組観てたら分かるだろうけど、借金してテレビ買うほどのコンテンツなんてないんですよ。そんなキラーコンテンツがあったら、すでにみんなテレビ買ってますよ。

こういう半ば強制的な規格の変更による需要の先食いをした結果は、2011年7月以降のテレビの売れ行き見れば分かるもんでしょうけど、もう偉い人達は忘れちゃってるのかな……例えは悪いかもしれないけど、徹夜明けの身体に栄養剤を投入するような方法は、一時的に元気になっても、結局はすぐ反動が来るものですよね。

モノを売りたかったら、人がどうしても欲しくなるようなモノをつくればいいんですよ。カラーテレビが普及し始めたときとか、みんなどうしてもカラーテレビでコンテンツを見たかったんじゃないですか?だから普及したんでしょう。VHSとベータの競争だって、廉価でみんなが観たいコンテンツ(一説にはレンタルのアダルトコンテンツだっていう話)を数多く発売したVHSが勝ったのと同じことです。

4Kテレビが売りたいなら、なんとしてでも4Kテレビで観たいコンテンツをつくればいいんですよ。そしてそういうコンテンツを他所から買わずに、自分でつくればいいんです。そんなコンテンツがあれば、国内の視聴者だけじゃなく、海外にまで売りにいけるでしょ。イギリスの国営放送であるBBCなんて、世界中で番組売ってますよ?

みんなが家を欲しいと思えば住宅関連産業にお金と人は集まるし、みんながテレビを面白いと思えば放送業界にお金と人が集まるんです。そういうのが僕たちが生きている自由主義経済の基本なんだから、その基本をねじ曲げて経済活動を行ったら、それは無理がきますよっていうこと。

財布のヒモを緩めさせたかったら、よい気分になるモノを造るのが一番の王道ってことだと僕は思うんですけどね……

みんなが知ってることは、だいたい対策済み

2013年1月12日 土曜日

もう少ししたら消費税が上がるという話もありますが、あまり慌てて住宅や不動産を購入したりしない方がいいですよという話です。

政権が変わっただけで円安になったりするのは何故なんでしょう?実際にまだ何もしていないにも関わらず、最近は円がドルに対して安くなっています。何故こんな現象が起こるのかというと、予想される価格変動に対して、価値は中立であろうとするからです。

建築の話で考えます。新築工事にしても改修工事にしても、事前の打ち合わせも工事期間も長期間に及ぶので、じつは今頃から消費税が上がる前に契約できないかというような話が増えてきています。で、僕たちのような、一応中立的な立場で動く建築士から言わせて頂くと、あんまり気にしない方がいいですよということなんですよね。

例えば、工事には仮設足場が必要ですが、あれは実はレンタルです。そしてレンタル会社が提供出来る足場の量は限られているので、工事現場が増えると足場が不足してレンタル料が上がります。レンタルに限らず、建設に用いる材料価格、職人の人件費は常に需要と供給のバランスのうえで変動しています。大きな本屋で建設物価が掲載されている雑誌が何冊か売っているのを見た人もいるはず。

その昔、消費税が3%から5%に上昇する時のこと。工事スタートの約半年前の契約までは3%の税率が摘要されたので、ある一時期に工事請負契約が増えました。契約が同時期ということは工事も同時期にならざるを得ないので、レンタル資材や建設資材、実際の工事をする職人さんの奪い合いが起きて価格が高騰した結果、消費税を節約した金額以上に工事費が高くなったという話をよく聞きました。

最近では、東日本大震災の復興で建設資材や職人さんの需要が増加した為に工事費は高くなりました。工事費や人件費は、需要と供給のバランスする点で決定されて、しかもそれは常日頃変動しているということです。

工事価格が常に変動していることを頭の隅においておいて、消費増税の話を考えてください。

消費税が3%上がるということは、例えば1000万円の工事費につき30万円づつ支払い価格が増えるわけです。3000万円の工事なら90万円。1億円の工事なら300万円程度の支払い価格のアップになるわけです。ところが建築工事のなかで、工事費の数パーセントなんていうのは、さきほど書いた価格変動の中で常に変化する程度の金額なのです。なにしろ300万円って、ちょっとしたシステムキッチン1台分の価格でしかありませんから。だから工事業者は、ある程度の価格変動を見込んで見積もりをはじき出します。それには常日頃から起こっている価格変動を予想した価格です。

その上消費増税は、工事金額の数パーセント程度、しかも適用される時期まで分かっているんだから難しい予想するまでもありません。当然増税分の価格を税率が変わる前から見込んで工事価格を見積もっています。工事のスタート時は増税より前でも、ひょっとして工事期間が伸びるかもしれませんし、その時は職人に摘要後の税率で賃金を渡すはめになるんですから、そのあたりは一般の方が想像するよりしたたかですよ。みんな損はしたくないですからね。

はじめの方の話に戻れば、首相が変わっただけで、なにか政策を発表しただけで、円安になったりしているのは、みんな先に予想して動いているからです。だから実際に動きが始まった時には、おおかたの儲けを出せる人は、しっかり儲けた後です。モノの価値に価格が追いつくまでのわずかな期間だけ、損得が発生するのです。

で、建築はすごい時間がかかる業界です。わずか数パーセントの価格差を捉えられるほど、工事は早く進みません。すくなくとも建設業界において、悪徳業者にでも引っかからない限り、一般の人が一喜一憂するほどの損得はあまりないのです。それが予想される価格の変動は場合はなおさらです。

結論としては、あまり増税は気にせずに、しっかりと話し合いの上に取引をした方がいいですよってことです。

開けてみなければ分からない

2012年6月11日 月曜日

リフォームの計画をすると、必ず直面するお話です。

リフォームを依頼されたとき、新築時や改装時の図面が残っていれば、それを参考に、図面がなければ現場で天井裏や床下に頭をつっこんで、家の構造を確認した上で計画をするわけです。

ですが大概の住宅は、床下に潜れるスペースもなければ、天井裏にも押入の上から頭を出せる程度で、だいたいの構造材の位置や大きさを確認するのが関の山で、断熱材に阻まれて筋交いの位置なんてよくわからない事のほうが多いわけです。

30年ぐらい前の住宅になると、残っているのは確認申請時に添付された1/100程度の図面のみということも多いわけで、その上、そこに描かれた情報が正しいという保証もなく(筋交いの位置が変わっていたり、そもそも存在していない事も多々あるわけでして…)そういう中で僕に限らず建築士の方々は想像力豊かに、「たぶんこうじゃないかな…」という感じで手探りで仕事を始めるわけです。

壁や天井を壊してしまえれば話は楽なのですが、リフォームの場合、居住者が生活している事がほとんどですので、非破壊&目視に頼るしかないわけで、いざ工事を始めてみると、足元がシロアリにやられていて、さすがに見なかった事にも出来ず、おそるおそる依頼者に工事費の増額の依頼をするハメになるわけです。

そのうえ規格住宅になると、ほとんどの部材は計算に基づいた工場生産品なので、アンタッチャブルなパーツがどこに存在するのかの見極めが、その後の計画を大きく左右します。壁や天井を捲ってみて、想像どおりならひと安心、違うなら対処方法を考えなくちゃなりません。

リフォームは新築と違って工事期間が短いので、現場で悩んでいる時間も少なく、扱う材料も少量なので、計画の変更は、結構ダイレクトに金額に跳ね返ってきます。ですから、出来る限りまとまった図面とかメモとか写真なんかを残しておいて頂くと、非常にありがたいわけですね。

ですが、設計図って結構邪魔なんですよね…普通の家にA3の大きさの書籍やファイルを置く本棚があるとも思えず、保存されていても、昔の青図は感光紙ですから、保存状態が悪いと端から変色して、真っ白になって読めなくなっていたり……そうなってくると、またしても目視と経験による第六感に活躍してもらわなくてはならないわけです。

改装工事が割高になる理由には、こういう「省く事のできない手間」の存在も大きかったりします。

ペアガラスとシングルガラスの差

2012年2月8日 水曜日

手がけていた改装工事が一段落したので、設計から工事完了までに気づいた事等をつらつらと何回かに分けて書いていこうと思います。

大きな掃き出し窓のガラスの入れ替え工事後の写真です。左がペアガラスで、右がシングルガラスです。

見てのとおり、シングルガラスの側には結露が発生しているのが分かると思います。ガラス面から逃げる熱の量は、壁から逃げる熱の量とは比べ物にならないぐらい大きいので、こういった所に結露が発生するわけです。しかし建物内外の温度差があり、建物内部で人間が生活して水蒸気を発生させていれば、冬場は必ず結露がおこります。この建物の場合は、ペアガラスにした事によってガラス面の結露が減少した結果、今度はアルミサッシの枠で結露が起こるようになりました。

昔の気密性があまり無い建物の場合は、結露はほとんどありませんでした。暖房は局所暖房でしたし、すきまもたくさんあったので、結露が起こり様がなかったからです。技術の発達が、新しい問題を起こす事は本当に良くある事で、結局そういったもののバランスの上に僕たちの生活は成り立っているわけです。

結露に限らず、建物の不具合というのは、常に弱い所に集中して起こってきます。 例えば建物の構造的な強さの面でも、建物全体がいっぺんに壊れることなんてあまりありません。まず一部分が破壊して、その他の部分が連鎖的に破壊されていきます。いくら局所的に強い部分をつくっても、必ず弱い部分から問題が起こり、全体に広がっていきます。

だからこそ、何を選択して、何を我慢するのか、その見極めのバランスが大切になってくるのです。

ちなみに、ペアガラス工場を見学した事があるのですが、ガラス自体の生産はかなり自動化されているのに、ペアガラスの張り合わせは人力でやっていました。窓の大きさは千差万別なので、まだまだ人の手で製作する方が効率がいい世界なんですね。

a review of life

2010年10月6日 水曜日

日々どこかしらで「デフレ」という言葉が飛び交っていますが、個人の力では何ともならないものですので、なるべく影響を被らないように生きていきたいわけです。個人的には、これだけ円高なんだから、もっと円高還元セールをやってくれても良さそうなのに……と思っているのですが、なぜだか知らないけれど僕の廻りではあんまり目につきません。かなしい事です。

ともかく「デフレ」というからにはいろんなモノの値段が下がるわけで、大阪の繁華街、御堂筋の地価もここ2年で44%も下がったそうです。御堂筋の地価が、関西全域の地価を代表している訳ではないですけど、程度の差はあれ、全国的に見ても同じように地価は下落傾向なのではないでしょうか。

地価が急激に下がって何が不都合かというと、税金が高くなる事です。土地や建物を持っていると、固定資産税を納めなくてはなりません。その税額は固定資産税評価額というものが基準になる訳ですが、だいたい3年毎ぐらいで見直されます。ということは、あまりに急激に下がり続けると、直近の評価額よりも高い評価額で税金が決定されることになります。つまり「地価は下がっているのに、税金は高いまま」ということになってしまうわけです。

その上、土地と建物をローンで購入していたら金利がつきますし、最近の経済状況から考えると収入が減っている方も多いでしょうから、まさに家計はボディブローのラッシュをもらい続けているようなものです。

こういった社会の大波に個人レベルで対応できることといったら、まず「借金をしない」。そして「無駄なものは買わず質素に暮らす」というぐらいしか出来ないのですが、実はこういう事が一番重要だったりする訳です。みんなが消費を抑えたら「デフレスパイラル」という、今となっては懐かしい言葉がチラつくのですが、そんなことはありません。 生きていく為には、多かれ少なかれ消費しなくてはなりません。

「消費が冷え込む」と批判している人もいますが、そういう人は「社会全体が浮かれていた」というバブル経済後の反省を忘れてしまっているのでしょう。なんのことはない、たくさん持ってる人はたくさん消費すればいいし、もってない人はそれなりに消費すれば良いだけの話です。

問題は「持ってないのに、持っている人と同じように消費する(したがる)」ことですが、借金できる金額に規制がかかるこのご時世では、身の丈にあわない消費をし続けることもまた難しいわけです。ともかく身の丈にあった消費をする事を批判されるいわれはありませんので、自分の「身の丈」を知る良い機会と捉えて、生活をスリムにしていくのが一番得策ではないでしょうか。

バブル経済の後に「清貧の思想」という本が流行ったの覚えておられる方もいるんじゃないでしょうか? 最近では「ITバブル」とか「ヒルズ族」とかいう言葉とともに成功者がもてはやされた時代の後に、「ロハス」とかいう言葉が流行った記憶があります。世間の風潮が行ったり来たりしているだけで、もとから質素に生きている人はたくさんいてたわけで、たまたま一時期そういう人達にスポットライトが当たっていただけと考えるべきなのではないでしょうか。

こういう時期は生活を見直す良いチャンスだと捉えて、積極的に身の回りを整理していけばいいのですが、残念なことに、こういう話は当たり前の結論に、当たり前のように着地して、そして当たり前のように忘れ去られていくのです……

必要な時に必要なだけ……

2010年9月24日 金曜日

結婚や子供の誕生、学校への入学等、人生の大きな転機で住宅の購入に踏み切るという方が多いと思います。そして多くの方が、子供と暮らす期間は約25年程度であり、その後に同じ程度の期間、夫婦二人で暮らさなくてはならないという事実に目を瞑ってしまいます。

都市部ではかなり大きな家でもない限り複数世代同居は難しいですから、家族の構成人員は子供がいる時で最大。最終的には夫婦2人や独り住まいになる事が予想されます。そして子供がいる時期に合わせて家を購入してしまうと、老いて体力の弱ってくる時期に、自分達の生活より大きな家で暮らすことになります。

長い人生の中では、「大きな家」が幸せな時代もあるし、「小さな家」が幸せな場合もあります。田舎の大農家のように、3〜4世代の人間が一緒に住む伝統のある地域ならば大きな家も苦になりませんが、普通の人ならば自分の生活に合ったスペースで暮らすのが一番快適なはずです。

ちょっと古いニュータウンにいくと、その日の天気に関わらず、いつみても2階の雨戸が閉まっている戸建て住宅を目にすることができます。おそらく住む人間が減ったり高齢化したりして、生活が1階だけで完結してしまっているのでしょう。年金暮らしで収入が伸びないなか、いくら生活をコンパクトにしても、家が資産である限り税金は取られます。使いもしないスペースにコストがかかっていることに気がつくべきです。

ひとつ所に落ちつくのは確かに快適です。僕はここ10年で5回ほど引越ししていますが、その度に住民票の移転やインフラの移転手続きでヘトヘトになってしまいます。引っ越し代も馬鹿になりませんが、借金をしながら生きていくよりは、今の自分に見合った場所で快適に暮らす為のコストだと思って割り切っています。

それに引っ越しはモノを減らす良いチャンスです。旅行慣れしている人の荷物が少ないように、引っ越しもまた自分の所有物の要不要を見直す良いチャンスです。 自分の生活がどのくらいの広さを必要とするのか?そしてそれを維持する為にどれほどのコストがかかるのか?そういう事をちゃんと考えておかないと、払わなくても良いお金を払い続ける事になるのです。

保険の本質はギャンブル

2010年9月6日 月曜日

一昔前に「よ〜く考えよう〜お金は大事だよ〜」というキャッチコピーの生命保険CMをTVでよく目にしましたが、今回は「本当にお金のことは考えた方がいいですよ(保険編)」という話です。

そもそも保険というのは17世紀のロンドンに、海事に関する最新ニュースを提供することで繁盛していたコーヒハウスがあり、そこで「貿易船が難破したり、沈没したりして港に戻ってこないか、それとも無事に戻ってくるか」という賭けをはじめたのが始まりといわれています。今でいう海上保険に当たるわけですが、このコーヒーショップの店の名前が「ロイズ・コーヒー・ハウス」でして、今でも保険で有名なLloyd’sの発祥の地でもあります。

この歴史は保険というものの本質が「ギャンブル」である事を物語っています。

僕たちの身近にある保険も本質はギャンブルです。乱暴に言えば「一定期間内における加入者の生死」を賭けているのが生命保険。「一定期間内における、加入者の自動車の所有によって起こる損害の有無」を賭けているのが自動車保険。「一定期間内における、加入者の所有・管理する不動産おいて発生する火災の有無」を賭けているのが火災保険です。(ちょっと乱暴すぎるけど意味は通じると思います。)

生命保険の場合、加入者が賭けに勝つ時=加入者が死亡している時(最近は死亡する前に支払いしてくれる保険もあります)なので、なかなか保険会社との賭けに勝ったという実感は得られないでしょうけれど、その他の保険なら「加入していてよかった」と思えるたら、賭けに勝ったといえるでしょう。

さて、ギャンブルには必ずルールがあります。ルールが無ければ、勝ち負けを判定出来ません。そしてそのルールを作り、ギャンブルを円滑にすすめる「胴元=元締め」がいます。基本的にギャンブルはルールを設定する方が有利ですから、よほどの事が無い限り胴元が大損をする事はありません。

生命保険でいえば、保険会社が胴元にあたります。保険会社は確率やら統計やら、ありとあらゆるデータを使って賭けのルールを設定し、保険商品を販売します。ですから保険会社が損をする事は、よほどの事が無い限りありません。

保険のCMを見ていると、「将来の為に…」とか「万が一の場合」とか、そういう言葉とともに、「子供を抱いたお母さん」や「事故にあったり、突然の病に倒れたりはしたが、一命を取り留めた人の証言映像」等が用いられていたりします。保険会社はこういった手法でもって不安を煽り、自社の保険商品を勧めてギャンブルの参加者を日々増やしているわけです。

こんな事を書いてはいますが、僕は別に保険を否定している訳ではありません。生命保険に加入しているし、自動車の任意保険にも加入しています。ですが、本当に保険会社が宣伝するほど、僕たちの生活はリスクにあふれているかというと、多分そうじゃないと思うのです。

極論ですが、自分の資産の合計が500万円で、所持してる金融資産が500万円以上あれば、損害保険に加入しなくても、全て買い直せることになります。車の運転する人なら、事故を起こしたとしても、損害を支払えるだけの資産を持っているなら自動車保険に加入する必要も無いでしょう。

ですが、ほとんどの人は保険の販売員に勧められるまま加入しているというのが実態ではないでしょうか。それは自分が本当に望んでいる保険商品かどうかの確認すらしていないということであり、自分の身に降り掛かるリスクをまったく考えていないということでもあります。

リスクというのは「リターンの不確実性」のことです。生命保険でいえば「月々支払っている保険料に対して、どのくらいのお金が返ってくるのか」ということがリスクを考えることになります。普通に考えても「いつ怪我をするのか?」とか「いつ病気になるのか?」ということは非常に不確実、というより全く予想出来ませんから、生命保険というのは「リスクが高い=リターンが非常に不確実」な商品と考えられます。

「保険について考える」ということは「リスクについて考える」という事です。そして大事な事は「リスクに対して、どの程度お金を支払えばいいのか?」、それを自分で判断する事なのです。そもそも保険会社が潰れる時代ですから「保険に加入しているから安心」なんて思うのは間違いです。

リスクをゼロにすることは出来ません。未来に起こる事を予知する事も出来ません。ですから統計から算出しているであろう保険会社のデータを参考にするのは間違いではありません。ですがリスクを減らしていく事は出来ます。

所有しているモノが少なくなれば、モノを失ったり、破損する割合は低くなります。車を所有しなければ、自動車保険に入る必要は無くなります。健康的な生活をすれば、暴飲暴食を繰り返し、不規則な生活を続けるヘビースモーカーの人よりは、健康に対して払うお金は少なくなります。

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