ペアガラスとシングルガラスの差

手がけていた改装工事が一段落したので、設計から工事完了までに気づいた事等をつらつらと何回かに分けて書いていこうと思います。

大きな掃き出し窓のガラスの入れ替え工事後の写真です。左がペアガラスで、右がシングルガラスです。

見てのとおり、シングルガラスの側には結露が発生しているのが分かると思います。ガラス面から逃げる熱の量は、壁から逃げる熱の量とは比べ物にならないぐらい大きいので、こういった所に結露が発生するわけです。しかし建物内外の温度差があり、建物内部で人間が生活して水蒸気を発生させていれば、冬場は必ず結露がおこります。この建物の場合は、ペアガラスにした事によってガラス面の結露が減少した結果、今度はアルミサッシの枠で結露が起こるようになりました。

昔の気密性があまり無い建物の場合は、結露はほとんどありませんでした。暖房は局所暖房でしたし、すきまもたくさんあったので、結露が起こり様がなかったからです。技術の発達が、新しい問題を起こす事は本当に良くある事で、結局そういったもののバランスの上に僕たちの生活は成り立っているわけです。

結露に限らず、建物の不具合というのは、常に弱い所に集中して起こってきます。 例えば建物の構造的な強さの面でも、建物全体がいっぺんに壊れることなんてあまりありません。まず一部分が破壊して、その他の部分が連鎖的に破壊されていきます。いくら局所的に強い部分をつくっても、必ず弱い部分から問題が起こり、全体に広がっていきます。

だからこそ、何を選択して、何を我慢するのか、その見極めのバランスが大切になってくるのです。

ちなみに、ペアガラス工場を見学した事があるのですが、ガラス自体の生産はかなり自動化されているのに、ペアガラスの張り合わせは人力でやっていました。窓の大きさは千差万別なので、まだまだ人の手で製作する方が効率がいい世界なんですね。

コメントをどうぞ