ボーナスステージは終わった

僕は1973年生まれなので、いわゆる団塊ジュニアの世代に当たります。

子供が多いものだから、それこそ十把一絡げのように育ったわけですが、成人する時にちょうどバブルが崩壊し、「失われた10年」というモノがやってきました。今でもずっと続いている「就職氷河期」に突入した世代ということになります。 まわりを見渡しても、フリーターは当たり前。結婚していない人、結婚しても子供はいない人はゴロゴロいます。世間は第3次ベビーブームみたいなものを、僕らの世代に期待していたようですが、そもそも就職もしていない、食っていくのに精一杯な人間が多い世代に子供を作る余裕なんてありませんでしたという感じで、期待されたベビーブームは消失してしまいました。

あまり合理化されていない社会では、生産量は人の頭数で決まりますから、「人口が増える=豊かになる」という図式が大雑把に当てはまります。ですが、現代のようにある程度合理化が進んでしまうと、人が増えてもそんなに生産力は増加しません。むしろ期待される生産量から、食べていける人数をカウントして調整する方が、個人レベルでは合理的な行動になりうるからこそ、ベビーブームはこなかったわけです。

国土には限りがあり、人口が減るのだから、当然今まで埋まっていた住宅やテナントビルにも空きが出てきます。今までならたくさんの人が競って購入してくれた不動産も、購入者が減ることにより割安になっていくでしょう。非正規雇用が増えているので、住宅のような高額商品は購入すらしてもらえなくなりそうです。住宅よりは価格の安い車やバイクを所持している人の数も、海外旅行者の数も、毎年減っています。もう「モノはあるのに買えない時代」に突入しているのです。

頼みの綱だった団塊ジュニアですら子供を産まないのだから、「人口増で経済は上向く」という現象は、もはや見込めません。あれは戦争で焼け野原になって国家が破産し、そこから立ち上がった時に起こった一過性のボーナスステージだったと認識しなくちゃなりません。

部分的な経済成長は存在するので、ITバブルのような小さなバブルはちょこちょこくるかもしれません。しかし、おそらく今から生きていく人は、人生のほとんどの時期を経済が萎んでいく撤退戦として過ごすことになります。撤退戦を生き抜いていく為の住処。これからの住宅に求められるひとつの要因だと僕は思っています。

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