あなたがコツコツと貯めて守ってきた手持ちの金融資産を現金化したり、両親や親類の方に援助してもらったりしてかき集めたお金を頭金にして、金融機関から住宅ローンという名の借金をして手に入れた建物は、売買契約書にサインをしてハンコを押した瞬間から負債になります。そしてよほどの事が無い限り、ずっと負債です。
負債であっても、長い目でみて収支がプラスになるのであるのなら全然構わない訳です。例えば住宅そのものが新たな価値を生み出して、購入資金や維持管理にかかるお金を上回る金額で売却することが出来るなら全く問題はありません。ですが非常に残念なことに、この国では長年住んだ住宅の価値が上がる事はほとんどありません。住宅を手放すことになっても、購入した金額以上の値段で売れる事はほとんどないといってもいいと思います。
そして現金一括払いで住宅を購入する人を除いて、住宅ローンという借金を抱える以上、家計は基本的に赤字になります。赤字であっても、それを補うことが可能な収入があるならOKですが、リストラの嵐が吹き荒れ、ボーナスカットも当たり前のこのご時世、支払いに不安を抱かない人なんて、そんなにいないと思うのです。
住宅というのは、購入の為に専用のローンがあるくらい特別な商品ですが、そうはいってもモノであることには変わりはありませんから、価値が下がって行くのは当然です。ですが、少なくとも住宅以外のモノで、支払い期間と価値が無くなる期間が、ものすごくかけ離れているものはありません。
例えば普通自動車の減価償却期間は6年ですが、返済期間が6年を超えるような自動車ローンは無いと思います(少なくとも僕は聞いた事はありません)。ローンを設定する金融機関も当然商売でやっているので、損をするような商品を売り出す訳はありません。
では何故、価値が下がることが分かりきっている住宅という商品に対して、金融機関は30年を超えるような長期ローンを設定出来るのかというと、土地と住宅以外の担保を取っているからです。身近に住宅ローンを組んだ人がおられるなら「団体信用生命保険特約料」なんていう名目でお金を払っている事が聞けると思います。
この生命保険は、ローンを組んだ人が死亡した場合などで返済不能になったときの為の保険です。つまり、ローンを組んだ人の命を担保にとっているとも考えられます。裏を返せばそうでもしないと30年を超えるような長期ローンを販売出来る訳は無いというわけですね。
購入した商品(土地建物)のみならず、自分の命まで担保に差し出して、結果的にかなり大きな額の借金しか残らない商品の事を負債と言ってもいいと思うんですが、どうでしょうか?







