一昔前に「よ〜く考えよう〜お金は大事だよ〜」というキャッチコピーの生命保険CMをTVでよく目にしましたが、今回は「本当にお金のことは考えた方がいいですよ(保険編)」という話です。
そもそも保険というのは17世紀のロンドンに、海事に関する最新ニュースを提供することで繁盛していたコーヒハウスがあり、そこで「貿易船が難破したり、沈没したりして港に戻ってこないか、それとも無事に戻ってくるか」という賭けをはじめたのが始まりといわれています。今でいう海上保険に当たるわけですが、このコーヒーショップの店の名前が「ロイズ・コーヒー・ハウス」でして、今でも保険で有名なLloyd’sの発祥の地でもあります。
この歴史は保険というものの本質が「ギャンブル」である事を物語っています。
僕たちの身近にある保険も本質はギャンブルです。乱暴に言えば「一定期間内における加入者の生死」を賭けているのが生命保険。「一定期間内における、加入者の自動車の所有によって起こる損害の有無」を賭けているのが自動車保険。「一定期間内における、加入者の所有・管理する不動産おいて発生する火災の有無」を賭けているのが火災保険です。(ちょっと乱暴すぎるけど意味は通じると思います。)
生命保険の場合、加入者が賭けに勝つ時=加入者が死亡している時(最近は死亡する前に支払いしてくれる保険もあります)なので、なかなか保険会社との賭けに勝ったという実感は得られないでしょうけれど、その他の保険なら「加入していてよかった」と思えるたら、賭けに勝ったといえるでしょう。
さて、ギャンブルには必ずルールがあります。ルールが無ければ、勝ち負けを判定出来ません。そしてそのルールを作り、ギャンブルを円滑にすすめる「胴元=元締め」がいます。基本的にギャンブルはルールを設定する方が有利ですから、よほどの事が無い限り胴元が大損をする事はありません。
生命保険でいえば、保険会社が胴元にあたります。保険会社は確率やら統計やら、ありとあらゆるデータを使って賭けのルールを設定し、保険商品を販売します。ですから保険会社が損をする事は、よほどの事が無い限りありません。
保険のCMを見ていると、「将来の為に…」とか「万が一の場合」とか、そういう言葉とともに、「子供を抱いたお母さん」や「事故にあったり、突然の病に倒れたりはしたが、一命を取り留めた人の証言映像」等が用いられていたりします。保険会社はこういった手法でもって不安を煽り、自社の保険商品を勧めてギャンブルの参加者を日々増やしているわけです。
こんな事を書いてはいますが、僕は別に保険を否定している訳ではありません。生命保険に加入しているし、自動車の任意保険にも加入しています。ですが、本当に保険会社が宣伝するほど、僕たちの生活はリスクにあふれているかというと、多分そうじゃないと思うのです。
極論ですが、自分の資産の合計が500万円で、所持してる金融資産が500万円以上あれば、損害保険に加入しなくても、全て買い直せることになります。車の運転する人なら、事故を起こしたとしても、損害を支払えるだけの資産を持っているなら自動車保険に加入する必要も無いでしょう。
ですが、ほとんどの人は保険の販売員に勧められるまま加入しているというのが実態ではないでしょうか。それは自分が本当に望んでいる保険商品かどうかの確認すらしていないということであり、自分の身に降り掛かるリスクをまったく考えていないということでもあります。
リスクというのは「リターンの不確実性」のことです。生命保険でいえば「月々支払っている保険料に対して、どのくらいのお金が返ってくるのか」ということがリスクを考えることになります。普通に考えても「いつ怪我をするのか?」とか「いつ病気になるのか?」ということは非常に不確実、というより全く予想出来ませんから、生命保険というのは「リスクが高い=リターンが非常に不確実」な商品と考えられます。
「保険について考える」ということは「リスクについて考える」という事です。そして大事な事は「リスクに対して、どの程度お金を支払えばいいのか?」、それを自分で判断する事なのです。そもそも保険会社が潰れる時代ですから「保険に加入しているから安心」なんて思うのは間違いです。
リスクをゼロにすることは出来ません。未来に起こる事を予知する事も出来ません。ですから統計から算出しているであろう保険会社のデータを参考にするのは間違いではありません。ですがリスクを減らしていく事は出来ます。
所有しているモノが少なくなれば、モノを失ったり、破損する割合は低くなります。車を所有しなければ、自動車保険に入る必要は無くなります。健康的な生活をすれば、暴飲暴食を繰り返し、不規則な生活を続けるヘビースモーカーの人よりは、健康に対して払うお金は少なくなります。
生活を見直し、リスクの低い生活すれば、当然保険に支払う金額も下げる事が出来ます。「お金について考える」という事は、こういう事の積み重ねなんです。







