‘その他・お知らせ’ カテゴリーのアーカイブ

“失敗は伝わらない”

2011年4月2日 土曜日

この動画を観ていただくと分かるのですが、どうやって過去の事件や失敗を伝えていけばいいのかはとても難しい問題です。基本的に人間は”忘れる”ように出来ているからです。

阪神大震災の時、家屋の被害が多かった地域は、昔の河川を埋め立てた箇所とかなり一致していた事が知られています。六甲アイランドのような埋立地も液状化現象で多くの被害を受けました。しかし再建した神戸に行くと、災害復興住宅が海岸近くに建っていたりします。大きな建物なので安定した支持地盤まで杭を打っているでしょうから、次に大きな地震がきても建物が倒れる事はないと思いますが、周辺の地盤はやはり液状化するでしょう。

人が忘れてしまうならシステムに記憶させておくべきなのですが、行政が率先して山を削り海や川を埋め立てている現状では、よほど優れたリーダーが出てこない限り、地盤の不安定な土地に建物を建てられないようにすることは難しいと思われます。

震災の後、防災グッズが飛ぶように売れていましたが、おそらく一年後にはほとんどの人が忘れていることでしょう。

災害を記憶するというのはとても難しい事なのです。

ささやかだけど、出来る事はある

2011年3月12日 土曜日

確定申告の話をしようかなと思っていたのですが、東日本巨大地震が起こったので、エントリーを変えます。

被災現場の映像を見る度に、建築士の出来ることの限界みたいなものを感じずにはいられません。木造の個人住宅をどんなに強度を持たせて建てても、7mの津波に耐える事はないでしょう。コンクリートの塊である原子力発電所ですら不具合が出てしまうのです。巨大地震や津波の前では、運がよかった悪かったなんていうことは意味を持ちません。自然の力の前では、人間の力なんて微々たるものなのだという事を認識するべきなのです。

被災された方々は、これからつらい時期が続きます。あなたの廻りで、あなたを助けてくれている人も被災者かもしれません。助け合って乗り越えてくださる事を信じています。

幸いにして被災せずに済んだ方々も、ぜひ何ができるか考えてください。そして間違っても支援をする為に無理をすることはやめてください。「助けることの出来る人」が、「助けられる人」になることは避けるべきです。節電、不必要な電話や自家用車の使用を控えるというレベルでもいいのです。

行政の中にも被災者がいます。混乱していて当たり前です。今は彼らを批判するべき時ではありません。信じて待つことはつらい事ですが、それでも希望を捨てず、自分達のやるべき事をしながら「待つ」べきなのです。

Hello world!

2010年7月8日 木曜日

このページのデザイナーに、「最初の記事を書いてください」と言われたので、まず最初に書こうと考えていた事を思い出しつつ編集ページを立ち上げてみたら、デフォルトのテスト投稿のタイトル「Hello world!」が目に入ったので、予定を変えて「Hello world」から書き始めようかなと思います。

小学生の頃、プログラミングを学んだときに最初に作ったのは、画面に「Hello world」と表示させるモノでした。Basicという言語でしたけど、今でもプログラミングの最初の一歩は「Hello World」という言葉を表示させるモノだと思います。「世界一有名なプログラム」と呼ばれるだけあって、今でもコンピュータ言語関係のテキストを開けば、いろいろな所でこのプログラムを目にする事が出来ます。

Appleが最初に作ったMacintoshも、初めて紹介されたときには「hello」と表示していましたが、新しい世界に一歩踏み込むとき、やっぱり「Hello!」と挨拶をするのが、世界の共通の認識なんだろうと思います。なにしろコンピューターですらそうしたのですから。

そのコンピューターの発達によって、コミュニケーションはとても安価で快適なモノになりました。子供の頃、雑誌に掲載されていた、空飛ぶ車や立体テレビ的な「科学が発達した明るい未来」は、残念ながらほとんど実現していないけれど、ことコミュニケーションツールに限っては、結構なレベルで実現されてきていると思っています。そして簡単で安価なコミュニケーションツールの発展は、人が把握しきれないほどの広大な「情報の海」を作り出しました。

検索エンジンの開発者が、増加しつづける情報量の為に、ネット全体を把握する事を諦めてしまったのは、今よりもっとネットの規模が小さく、Googleすらなかった時代でした。今でも情報量の爆発的な増加は続いていて、その広大な「情報の海」の中では、必要な情報も、不必要なノイズも、情報量としては等価であり、それらを分離するフィルタリング技術の重要度が増してきています。

新聞のようなレガシーメディアしか無かった時代、情報の「値段」と「精度」は、ある程度比例すると考えられていたと思われます。現在でもそう考えている人達は大勢いると思われますが、少なくともネットの中に限れば、情報は限りなく無料になり、情報を必要とする人のフィルタリング技術とリテラシーに精度が依存するようになってきた結果、「値段」と「精度」は比例しているとは考えられなくなっています。そして検索出来ない情報は、ノイズと同じであり、その価値はゼロに等しいということにもなりつつあります。

このブログもまた、その広大なる「情報の海」の中に放り込まれる砂粒みたいなモノになる訳です。これがノイズになるのか、有益な情報になるのかはわかりませんが、書く身としては、なるべくノイズにかき消されないような情報になることを願っています。僕の知識に偏りがあるかぎり、間違った事を書いてしまい、必ずノイズが混ざるのは避けられませんが、そこはなるべく訂正しながら書き続けていきたいと考えています。

このブログの主な目的は、

・建築にかかわる事になった人が知っていたら便利なこと

・僕自身が考えている事の整理

上の2点を主な柱として、概ね週1〜2回のペースで更新していこうと考えています。

不動産や建設業界に関わりを持たない人にとって、「建築」とは、人生において数えられるほどしか関わることがないのに、生涯所得の大半をつぎ込むことになるという、理不尽きわまりない商品でもあります。そういう機会に「建築士」という職能を思い出してもらえるようなブログになるようにと考えています。

すこし長くなりましたが、これで僕の最初の挨拶「Hello World!」という事にしたいと思います。